機関誌「Ports and Harbors」<年6号発刊>
第24回国際港湾協会総会議事録<2005.5 上海会議>
第23回国際港湾協会総会議事録<2003.5 ダーバン会議>
港湾計画と設計のためのガイドライン
IAPH近況 | 総会報告 | 専門委員会 | 日本セミナー報告 | 出版と広報
<2010年4月〜2010年7月>
IAPH Mid Term Board Meeting and Port Forum with the theme of
6月7日から9日にかけてIAPHの中間年理事会が、米国ジョージア州サバナで開催されました。同時に技術委員会及び一般にも公開のポートフォーラムが開催されました。今回はそれぞれの会議の模様を簡単に報告すすることとします。
なお、すべての会議の会議資料や議事録はすべてIAPHホームページの会員エリアに掲載しています。
1.開催地サバナについて
サバナはアメリカ南部でも歴史の古い町として知られており、歴史のある建物を活用した観光地となっています。但し、規模から判断すると海外から広く集客が可能とも思われず、南部の静かな小都市と言う印象でした。
サバナ港は河口部近くに位置する河川港で、河川航路の水深の制約から入港可能船舶が喫水14m程度に制限され ています。コンテナは「ガーデンシティターミナル」で取り扱わ
れており、2009年は約240万TEUの取り扱い実績を誇って います。ターミナルを現地視察しましたが、整然と荷役が行 われている素晴らしいターミナルでした。米国の東海岸の港湾の例にもれず、2014年ごろのパナマ運河の増進拡幅による将来の荷動きの活性化に期待し、港湾管理者である「Georgia
Ports Authority(GPA)」は今後航路の増深やターミナルの拡張などを検討しています。
2. IAPH技術委員会
技術委員会の開催に先立ち各技術委員会の委員長、副委員長からなる議長会議が開催されました。事務局より、技術委員会への資金協力について新しい制度と応募方法が提案されました。各委員長から非常に好意的な反応があり、原案のまま来年から本格的に運用することとしました。資金支援をきっかけに委員会活動がさらに活発化することが期待されます。
その後、通常通り8つの技術委員会を3グループに分けて、IAPHの 3副会長の司会のもとが進 められました。
(1) グループ1(Human Resources, Communication & Community)
2011年のブサン総会に向けて、IAPH エッセイコンテストの募集内容が決定されました。また、現在必ずしも利用が活発ではないIAPHの奨学制度についても、その補助の上限を引き上げる等の提言がまとめられました。
事務局の毎年出版する各種レポートの簡素化について事務局の提案を基に議論されました。可能なものは印刷配布を取りやめ、ホームページ上での回覧にとどめるなどほぼ原案通りの提言を得ました。また、IAPHのホームページの改良についても議論され、使いやすさと追求し、また、支障のない範囲で一般エリアに情報を移すことが議論されました。今後来年にかけて事務局でホームページの本格的な改装を行う予定です。
(2) グループ2 (Port Safety & Security, Environment, Legal)
コンテナのくんじょう問題、危険物バースのゾーニング問題、 港湾へのアクセスパス等について議論されました。米国が提案 するコンテナの100%スキャンについてその問題点が指摘され るとともに、海賊行為の現況について、その現状を示す統計等 が紹介されました。
WPCIの進行中プロジェクトであるCarbon Footprinting, Environment Ship Index, Onshore Power
Supplyについて進捗状況が報告され今後の予定について議論がなされました。また、大気関係以外にロンドン条約、港湾の廃棄物受け入れ施設、バラスト水処理問題等について最新の情報が議論されました。
IMOの法律委員会に関する報告がなされ、IAPHのLegal Data Baseの更新について議論されました。理事会に提出予定の海賊行為に関する決議文について議論され、委員長作成の原案で理事会に諮ることが了承されました。
(3)グループ3(Port Planning, Port Operations, Trade Facilitation & Port Community System)
以下のレポートが執筆者より報告され、最終レポートとして了承されました。
- Economic Evaluation of Port Projects
- Port Project Financing
- Impact of Economic Crisis
- Adaptation Measures against Climate Change
- Port Redevelopment (web-base)
今期の課題の一つである気象変動に対する適応方策の調査について、その検討項目が報告され了承されました。
Port Operations Committeeの委員長、副委員長が欠席のため、委員長作成の作業進捗状況に関するメモが紹介されました。
現在進行中のPort Community Systemに関する現地調査の進捗状況が報告され、ブサン総会時までに取りまとめが完了する旨了解されました。ESPOで実施されている貿易簡素化のプロジェクトについて報告がなされるとともに、WCOやUN/CEFACTとの連携について報告がなされました。
3. ポートフォーラム
当初は参加者不足が懸念されていましたが、結果的には120人を超える正式登録参加者を数え、フォーラムを盛況理に開催することができました。はじめにオープニングセレモニーとして、IAPH会長、サバナ市市長のあいさつに続き、Pendleton Consulting GroupのCraig Lesser氏より基調報告が行われました。
これに引き続き、Session1「Transportation Forum: Trends and Economic Projections」として経済の停滞が産業活動にどの様な影響を与え、また物流業界の仕事が如何に影響を受けたか?物流業界は 既に経済の回復期に入ったと認識しているか?などをテーマに4人の 講師から講演があり、議論が行われました。
Session2「Today’s Trends for U.S. Exports/Imports: What’s on the Horizon?」と題して、アメリカの輸入から輸出への構造シフトの長期的な影響はどのようなものがあるか?世界貿易の今後の注目地域はどこか?などをテーマに、3人の講師から講演があり、議論が行われました。
Session3「Protecting Maritime Trade」として、世界の港湾はテロリストとの戦争を戦う準備ができているか?技術の進歩が世界の貿易を維持する方策にどのような影響を与えたか?などセキュリティー問題について、3人の講師から講演があり、議論が行われました。
Session4「World Ports Climate Initiative: Greening the Supply Chain」として、最近のIAPHのポートフォーラムでは恒例のWPCI関係の3つのプロジェクトの紹介と米国商業産業協会からの報告があり、議論が行われました。 総じて開催地アメリカに関連する話題が多くなりましたが、アメリカ人の講演らしく実務的かつ実際的な話題が多く、聴衆には十分参考になったものと考えられます。なお、すべての講師のプレゼンテーション資料はIAPHのホームページで閲覧可能です。
4. 中間年理事会
事務局からGenoa総会以降のIAPHの活動報告とともに、2010年5月末時点の会員の状況(正会員203、賛助会員146)や2009年度IAPH会計報告、EXCOメンバー選定のための地域選挙の結果などについて報告を行い、すべての理事会承認事項は全会一致で了解されました。 また、各担当の副会長から技術委員会のグループ討議の結果について報告がありました。
引き続き、IAPHヨーロッパ事務所からIMO、ILO等の関係機関との連絡調整業務に関する報告があり、また、第一副会長からWPCIのそれぞれのプロジェクトの進捗状況について説明がありました。また、港湾界もIMO、船会社など関係者と連携して、海賊行為に対する非難と防止に対する支援を行っていく旨をうたった「Resolution
on Piracy」を全会一致で採択しました。これには後日談があり、会議終了後この決議文をプレス発表したところ、間をおかずIMOよりresolutionの内容とタイミングに感謝する旨の連絡がありました。
次に、BPA(Busan Port Authority)から2011年ブサン総会(5月23日〜27日)の第1回アナウンスメントとして、概略プログラム及び登録料(会員2,000または2,200米ドル)について提案があり、原案通り了解されました。なお、第1回アナウンスメントはIAPHのホームページでご覧いただけます。
2012年の次回中間年次理事会の開催場所をイスラエルとすることが満場一致で決定されました。開催時期は2012年5月とし、エルサレムで開催される予定ですが、詳細日程は今後の調整により決定することとなりました。
会長よりここ数年間休眠状態にあった「Long Range Planning and Review Committee」を再開する旨の提案があり、了解されました。具体的な進め方やスケジュールなどについては今後事務総長と相談して決定することとなりました。また、同じく休眠状態であった「Membership
Committee」についても、活性化を図ることが提案され了承されました。
最後に、当会議の主催者であるGeorgia Ports Authorityに対する感謝の決議を全会一致で採択し、会議を閉会しました。